四十数年前、ひどい目のかゆみとくしゃみに悩まされえて、町の薬局で相談したら「花粉症」という耳慣れない言葉を聞かされました。
まだ「花粉症」を発症する人が、今ほど多くなかった頃の話です。
同様に、まだ「うつ病」という病名をほとんど聞かない頃、発症した経験があります。
やはり40年ほど前のことです。
認知度の低い病気は、理解されにくく、一人で悩む時期が長くありました。
今では「花粉症」も「うつ病」も知らない人はいません。
そして効果的な治療法も薬もあります。
それでも「うつ病」を発症する人は減るどころか、増えているというニュースにふれて、過去を思い出し胸が痛みます。
◇「うつ病」の理解は進んでいる?
「うつ病の治療中なの」と知人女性がさりげなく話すので、私も経験があると、世間話のように症状の話しなどして共感します。
「うつ病」が珍しい病気ではなく、理解や情報が得られる時代になったからでしょう。
むかしは「うつ病」でも、たいてい「ノイローゼ」で片づけられていました。
「ノイローゼ」は神経症を指すもので、「うつ病」はもっと深刻です。
精神疾患の多くは心の弱さが原因とみなされ、自己責任を問われて、ひとりで抱え込むケースが多くありました。
私の場合も弱い自分を鍛えるため、自己啓発書を読み、自律訓練法を実践し、内観療法をする修行道場に通ったこともあります。
結果はますます自分を追い込んで、悪化するばかりでした。
今のように、インターネットで知識を得るチャンスもない頃の話です。
現在は「うつ病」や「適応障害」など、医療の発展と共に病気のメカニズムが解明され、正しい治療を受ける機会も増えています。
それなのに、「うつ病」に苦しむ人の数が、増加しているというのは残念でなりません。
◇「うつ病」は治せる時代

「うつ病」で休職中という若い男性に、20年苦しんだけど、今はすっかり治ったと、励ますつもりで話しました。
それを聞いて、20年もかかるんですか?と落ち込まれて、フォローに困りました。
私には40年前に当時まだ病名の無かった「パニック障害」の発作に始まって「うつ病」を併発したという経緯があります。
もう大丈夫!と安心すると、またおそってくる発作や症状に、辛い20年を過ごしました。
この間、症状が重症化したり緩和したりを繰り返し、結果的に抗うつ剤の正しい服用によって、その後の20年ほどは再発していないのです。
現在は厚生労働省も、うつ病対策に尽力し、2000年以降は、日本うつ病学会などの研究機関も創設されるなど、まるで状況は変わっています。
心の病が恥ずかしいとか、自己責任と言った風潮も、昔ほどではないと思うのですが…
「うつ病」は合理的に治せる時代です。
◇心にセンサーの設置を

コロナ禍で「コロナうつ」により、自死する人の数も、以前より急増していると、ネットニュースが伝えていました。
本当に痛ましい事実です。
私も病状が悪化したころ、経験がありますが、未遂に終わって今があります。
すべて病気のなせる業で、回復すると後悔の念はありますがその後、自分を大切にしたいという思いに変わりました。
「うつ病」を発症する原因は、状況や環境が左右する事もあり、人によって異なります。
些細なことでも、心に大きなダメージを受けることがあったり、大きな苦難でも、乗り越えられてしまう場合もあります。
必要以上に心に負荷が加わって、疲労感さえ感知できなくなった時が危険です。
心にセンサーを設置して、疲労の度合いが自覚できるようにしたら良いでしょう。
疲れを無視して、頑張り過ぎるのが、最もいけないと今なら分かります。
センサーが信号を出しても、気付けない所に「うつ病」の怖さがあるのも事実なので、少し甘く設定しておくのが良いかも知れません。
◇高齢期うつに注意

現在はすっかり症状も忘れるほど「うつ病」は回復しました。
しかし、これから年齢を重ねる毎に、注意しなければならないのが「老人性うつ」です。
以前ブログ内でも紹介しましたが、認知症に関連する症状でもあります。
一人暮らしでもあり「うつ病」の再発には、いつも注意しています。
家族の中であれば発症しないということでもなく、高齢者は特にリスクが高まります。
その為日々の生活の中で、心がけていることがあります。
⁂できるだけ朝日を浴びる&歩く👉朝の散歩などでセロトニンの吸収を意識します。
⁂食事に気を付ける👉肉類やバナナなどセロトニンの材料を積極的に摂ります。
⁂深い呼吸を心がける👉つい浅くなりがちですが深呼吸で自律神経のバランスを整えます。
⁂音読の習慣をもつ👉青空文庫や自分の書いたものでも声を出して読みます。
⁂また何があっても自分を責めず、自分自身を認める努力が必要です。
⁂そして思い当たる症状が出たら、すぐに心療内科を受診すると決めています。
これ等のことは、高齢者に限らず「うつ病」の予防に有効で、体験したからこそ重要性が分かります。
「うつ病」に限らず、辛さや苦しさは、それを体験した者にしか分かりません。
出来れば誰もが、知らないままでいてほしいと願っています。
しかし、苦しんでいる人が一人でもいるなら、参考になればと「うつ病」を取り上げました。
感染症の終息はいつになるのか、まだ先が見えません。
晴れた日には、マスクを外して、ひとり草花の咲く小道を歩いてみてはどうでしょうか。
◇まとめ
コロナ禍の中「うつ病」で苦しんでいる人が、増えていると度々報道されています。
その都度、苦しかった記憶がよみがえります。
むかし罹患したというだけで、体験談など伝えても、何の意味もないかも知れません。
しかし、時間のかかる厄介な病ですが、治る病気だと知らせたいと思いました。
そして、誰にでも突然襲ってくる病であることも、知って欲しいと考えています。
もっともっと、心の病が周囲に理解されることを願います。
メッセージ
最後までお読みいただき有り難うございます。<(_ _)>


