【シングルシニアの暮らし】「雨の香り」は遠い思い出をいざなって・・・

日々の暮らし

窓を開け放って、パソコンに向かっています。
するとどこからともなく、あの香りがしてきました。
慌ててベランダに飛び出し、洗濯物を取り込みます。
そうです…香りの正体は「雨」です。
「間に合った…」とほっとしながら、あらためてその匂いをかぎます。
郷愁を誘うような「雨の匂い」が、なぜか好きなのです。
人は香りから、思い出にたどり着くことがあります。
また思い出の場所に、独特の香りが存在していることもよくあります。
香りと記憶が結び付くのには、なにか理由がありそうです。

🔷雨が降り始めると独特の香りがするのはなぜ?

雨が降り始めた時に、その匂いですぐわかるのは、田舎育ちだと言う人もいるようです。
私は神戸の中心地で育ちましたが、昔から雨の匂いには敏感でした。
育った場所に関連があるかどうか、定かではありませんが、香りの感度には個人差があるようです。
それにしても、降り出した雨の香りは、居場所が変わっても同じなのはなぜでしょうか?
少し調べることにしました。

❖「雨の香り」の正体

「雨の香り」の正体は、植物から発生した「油」です。
この油が、乾燥した石や土などに付着し、雨にあたった瞬間に粒子となって舞い上がることで発生します。
この他にも、土壌細菌が作り出す物質も、雨の香りを作り出す要素となっているようです。

雨の香りには「ペトリコール」と言う名称があります。
1964年に、オーストラリアの鉱物学者2人が著した論文の中で、作られた造語です。
「ペトリコール」とはギリシャ語で“石のエッセンス”と言う意味があります。
論文では「長い間日照りが続いた後の最初の雨にともなう独特の香り」と言う定義がありました。

❖降り始めの匂いと雨上がりの匂い

「ペトリコール」は、雨の降り始めに発生する匂いです。
これは軽く中程度の雨が降った際に、発生するもので、大雨の時は発生しにくいとされています。
まだ雨が降っていないのに、どこからか雨の匂いがすることがあります。
これは別の場所で発生した「ペトリコール」のエアロゾルが 、風で運ばれてきたものです。

雨上がりの匂い、と言うのもあります。
こちらは「ゲオスミン」と呼ばれる匂いです。
土中のバクテリアなどによって作り出されるもので、雨水にで拡散され、蒸発する際に強く匂います。
「ゲオスミン」の他にも雨の匂いには「オゾン」も含まれています。

「ペトリコール=石のエッセンス」に対して、「ゲオスミン=大地の匂い」を意味します。
「オゾン」はギリシャ語の“におう”に由来しているもので、雨と「匂い」は切り離せないもののようです。

🔷匂いで記憶がよみがえることがあるのはなぜ?

お寺をめぐるのが好きで、関西に住んでいたときは、京都のお寺によくいきました。
お寺にいくと不思議と幼い頃、祖母に連れられて行った、実家近くのお寺を思い出します。

それぞれの場所には独特な「匂い」があって、その匂いでよみがえる記憶があります。
なぜ匂いだだけで、その時の情景がうかぶのか不思議です。
これには脳の仕組みが関係しているのかも知れません。

❖香りと脳には関係がある

香りと脳には密接な関係があります。
人には視覚・味覚・聴覚・嗅覚・触覚といった五感が備わっています。
この五感のうち嗅覚だけが唯一、感情・本能を司る「大脳辺縁系」に直接伝達されることが分かっています。
「大脳辺縁系」には「海馬」と言う記憶を司る機関があり、ダイレクトに匂いと記憶が結び付く仕組みになっているのです。

香りによって、昔の記憶がよみがえることを「プルースト効果」と言います。
フランスの作家マルセル・プルーストの小説の中に、匂いから記憶を呼び覚ます描写があり、それがもとになっています。

瑛人さんのヒット曲「香水」の歌詞の中にも「プルースト効果」が表現されています。

別に君を求めてないけど 横にいられると思い出す
君のドルチェ&ガッバーナのその香水のせいだよ

別に君をまた好きになることなんてありえないけど
君のドルチェ&ガッバーナの香水が思い出させる

瑛人さんのヒット曲「香水」より一部抜粋

「香水の香りが君を思い出させる」のは、まさしくプルースト効果ですね!

「人間の感情の75%は匂いによって引き起こされる」ともいわれるほど、人間の感情と「匂い」は密接な関係があるようです。

❖香りの効果

香りと人間の感情は、大きな結びつきがあることが分かりました。
そして記憶とも連動していて、行動に与える影響も大きいと考えられています。
そのことから得られる、香りの効果について解説します。

*決断力を高める効果
  香りは人の気持ちを上昇させ考えをクリアにする作用がある

*心を落ち着かせリフレッシュさせる効果
  香りには心を穏やかにしてスッキリさせる効果がある

*記憶をよみがえらせる効果
  特定の香りをかぐと一瞬でその思い出や感情がよみがえる効果がある

このように香りには、さまざまな効果があります。
さらに近年では、香りが脳に与える刺激で、認知症予防や免疫力アップにも効果があることが分かってきました。

まとめ

雨の匂いを嗅いだことから、香りの科学にまで踏み込んでしまいました。
雨の匂いが好きか嫌いかは人それぞれですが、人には記憶に残る「匂い」があることは確かです。
お祭りの匂い・花火の匂い、どこかに残っている母の匂いも、懐かしい記憶の匂いです。
雨が降り出した時にペトリコール(石のエッセンス)を思い出してもらえれば嬉しいです。

メッセージ

最後までお読みいただき有り難うございます。<(_ _)>

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